未来を変えるエコ活動
カーボンニュートラルの実現を目指して、市民一人ひとりがエコ活動に取り組める環境づくりが全国の自治体や企業で進められています。
環境負荷を減らすための地道なステップを、いかに「義務」ではなく「ワクワクする体験」に変えていけるのか――。その大きなヒントをくれるのが、京都府内で12年前から古紙回収ステーション エコゲート®を展開する日本紙業有限会社です。
同社ではこれまで、スクラッチカードやデジタルゲーム、エコかるたといった遊び心あふれるコンテンツを用意し、独自のアイデアを次々に形にしてきました。エコ・アクション・ポイント(EAP)を導入を契機に、クイズ形式でのポイント付与、無人拠点での看板掲示による来場者へのポイント付与など、楽しみながら参加するという従来の良さはそのままに、継続的な環境配慮行動の定着を目指す取組みに発展しました。「リサイクル業者のイメージを払拭し、地球に貢献する仕事を誰もが親しめるものにしたい」と語る中村社長。熱い利他の心と未来へのチャレンジ精神に溢れたインタビューを、前編・後編にわたってお届けします。
【今後の配信予定】
インタビュー後編(vol.2):8月17日公開
編集後記(vol.3):8月24日公開
「いる・いらない」の多様性に応えるポイント制度と、地域に広がるエコの熱量 12年目のエコステーションが、あえて「全国展開のEAP」を選んだ理由
日本紙業有限会社 中村社長
まずは、日本紙業様が古紙回収ステーション エコゲート®にエコ・アクション・ポイント(EAP)を導入された背景や、きっかけについて教えてください。
中村社長:弊社は12年前から「エコゲート®」という資源回収拠点を設置・運営しています。当初はいわゆるポイント制度のようなものは一切用意していませんでした 。しかし、世間を見渡すとあちこちでポイント付与を行う資源回収が見られるようになり、弊社としても他社との「差別化」というか、お客様の多様なニーズに応えるための仕組みが必要だと考えるようになったのです。
ただ、私たちのスタンスとしては「ポイントを貯めたい人は貯めてもらえばいいし、今まで通りポイントはいらないという人はそれでいい」という、あくまでお客様の選択肢を広げるための導入でした。
数あるポイント制度の中でなぜEAPだったのかというと、全国的に幅広く展開されている点です。これなら、例えば京都でポイントを貯めていた方が別の地域に引っ越されたとしても、そのポイントをどこかで活かすことができます。さらに、単なるポイント付与に留まらない、幅広いエコ活動への展開ができるプラットフォームだと感じたことが、EAPを導入する大きな決め手になりました。
導入前と導入後を比較して、利用者の来店頻度や回収量、あるいはお客様からの声などにどのような変化がありましたか?
中村社長: やはり、きれいに二極化していますね。熱心にポイントをゲットされる方もいれば、「ポイントは面倒だからいいわ」という方も当然いらっしゃいます。
変化として一番大きいのは、熱心な会員様が「あそこに行ったらポイントが貯まるよ!」と口コミでどんどん広げてくださっていることです。特にイベント等でご紹介すると、それをきっかけに新しくポイントを始められる方が多く、非常に熱心にお越しいただけます。
資源回収のプロの視点から見ても、ポイント制度を導入したことは間違いなく「入れてよかったな」と強く評価しています。
日本紙業様は亀岡市や向日市を中心に拠点を展開されていますが、地域によって利用率やポイントへの反応に違いはありますか?
中村社長: そうですね、地域ごとの特性は非常によく表れています。まず弊社が多くのステーションを構える亀岡市は、全国に先駆けてプラスチック製レジ袋の提供を禁止した、いわゆる「環境先進都市」として知られています。そのため、もともと亀岡市民の皆様は非常に環境意識が高いんです。ベースとして環境への理解がある中で、さらに「ポイントが貯まる」という仕組みが乗っかったことで、なおさら皆様の取り組みの熱が上がっているのを実感します。
一方、つい数年前にゼロカーボンシティ宣言をされた向日市についても、行政がゴミの分別や紙のリサイクルに今まさにとても力を入れられています。市民の皆様も行政のそうした積極的なPRや呼びかけに応える形で動かれており、最近リニューアルオープンした向日市エコゲートプラスで新しく取り組みを始めたペットボトルの回収にも、本当にたくさんの方々がお持ち込みくださっています。
このように、自治体が持つサステナブルな意向や行政のバックアップと、私たち民間企業の取り組みがパズルのようにカチッと噛み合うことで、地域全体の環境意識をボトムアップさせる、2倍以上の素晴らしい相乗効果が生まれていると感じますね。
「いる。いらない」という多様なニーズに寄り添いながら、地域にエコの熱量を広げてきた日本紙業様。次回の vol.2 では、その熱量をさらに加速させる「無人運営とキャラクターデザインの力」にスポットを当てます。
「楽しいから、また行きたくなる」――そんなリサイクルの未来の姿を、ぜひご覧ください!
バックナンバー
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♯29 市民参加で進める脱炭素|自治体インタビューリレー【城南衛生管理組合 vol.2】
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