未来を変えるエコ活動
カーボンニュートラルの実現を目指して、市民一人ひとりがエコ活動に取り組める環境づくりを推進
能美市は、石川県の南部に位置し、人口約5万人(約2万世帯)のまち。九谷焼やゆず、丸いもといった特産品に加え、いしかわ動物園や能美ふるさとミュージアム、手取フィッシュランドなどの観光資源も持つ“暮らしと楽しみが近いまち”です。
そんな能美市が進めているまちづくりの1つが、「ゼロカーボンシティ」。SDGs未来都市としての取り組みを進めながら、2023年にはゼロカーボンシティを宣言し、市民・事業者とともに脱炭素社会の実現に向けた動きを加速させています。なかでも注目したいのが、日々の暮らしの中で自然とエコ行動が増えていく仕組みづくり。市営施設「ふれあいリサイクルセンター」での古紙計量や廃食油回収など、リサイクル行動とエコ・アクション・ポイント(EAP)を掛け合わせた“続けやすい入口”を整え、さらに地域通貨「能美トチポ」への交換連携で“地域で使える出口”も用意しています。
今回は、能美市でEAPを担当するご担当者に、紙のチェックシートからEAPへ切り替えた背景、リサイクル拠点での運用の工夫、地域通貨連携の手応え、そしてEAP以外のイベント・PRの取り組みまで、現場のリアルとこれからの展望を伺いました。
【今後の配信予定】
インタビュー後編(vol.2):6月15日公開
編集後記(vol.3):6月22日公開
能美市 市民生活部生活環境課 ご担当者
1.市民参加で脱炭素を進める上で、EAPをどのように位置づけていますか?
脱炭素を進めるうえで、家庭内での脱炭素の取り組みがなかなか増えないことが課題の一つとしてありました。また、これまでの取り組みは参加者が一部に偏りがちで、広がりに課題がありました。そこで、より多くの市民が日常の中で参加しやすい仕組みとして、EAPの導入を進めました。
2.紙のチェックシートからEAPへ切り替えたきっかけは?
以前は紙のチェックシートのような形で実施していました。
ただ、紙の場合は「記入して、市役所に持ってくる」という手間があり、参加者が増えにくい面がありました。
その点、EAPはスマートフォンで手続きできるので、気軽に参加しやすい。ここが一番のメリットだと感じています。また、能美市として庁内外のデジタル化を推進していることもあり、方向性としても合致しました。
3.デジタル化に不安のある市民へのフォローは、どのようにされていますか?
切り替えの際には、「スマホを使わない」「難しい」という声も実際にありました。
解決方法として、イベント等で登録サポートブースを設けて、登録方法や操作方法をお教えしています。
4.ふれあいリサイクルセンターで「来場・廃食油・古紙計量」を同一拠点で展開することについて、何か市民の方からの反応はありましたか?
生の声を十分に拾えているわけではないのですが、同じ場所にまとまっていることで、利用者の方にとっては「お得感」につながっていると感じています。また運用面では、出入りが多い施設のため、QRコードや古紙計量器を置く場所はかなり工夫しました。邪魔になりにくい導線を意識しています。読み取り方法などは、QRコード近くに説明を掲示し、現場の負担が増えないよう整えています。
5.EAPポイントを地域通貨「能美トチポ」に交換できる連携について、効果はどう見ていますか?
以前、能美市の交換商品が指定ごみ袋のみだった時期があり、「ごみを減らすのが目的なのに、ごみ袋を配るのは矛盾しているのでは?」という声や「交換できるものはそれだけなの?」という声をいただくこともありました。
その点、能美トチポのように地域で使えるポイントに交換できるのは、私たちとしても「こういうのもありますよ」と案内しやすく、推進しやすくなったと感じています。また、地域通貨連携については、他自治体から問い合わせや反応があったこともありました。
6.現在の参加状況と、今後増やしたい層はありますか?
肌感としては40代・50代が多い印象です。今後は10代・20代にも増えていってもらえたらと思っています。そのための取り組みとして、大学との連携の中でEAPを活用した「エコ活動の普及啓発動画」を制作しました。大学側から動画制作の提案があり、EAPを広める動画を作っていただけたのは大きかったです。
「記入して持っていく」から「スマホで気軽に」。
能美市がEAPで目指しているのは、脱炭素の取り組みを“特別なこと”ではなく、暮らしの中の自然な選択にしていくことでした。リサイクル拠点の活用や地域通貨との連携が、その一歩を確かなものにしています。
インタビュー後編(vol.2)では、EAPだけにとどまらない能美市の環境イベント・PRの取り組みを伺います。
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